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特許・知的財産権 調査報告

Patent & Intellectual Property Compliance Report — Last updated: 2026-03-29 — ZEAL-BOOT-CAMP

調査結論 / Summary

FreePLC の全7機能領域について特許調査を実施した結果、 高リスク(侵害の可能性あり)に該当する特許は発見されませんでした。

FreePLC は公開国際標準(IEC 61131-3)に基づき、独自に開発されたソフトウェアです。 既存のPLCベンダーのソフトウェアをリバースエンジニアリングしたものではなく、 ベンダー固有のファイル形式を使用していません。

調査方法 / Methodology

以下のデータベースおよびソースを用いて調査を実施しました。

検索キーワード: "PLC ladder structured text conversion patent", "IEC 61131-3 code generation patent", "programmable logic controller simulation patent", "PLCopen XML patent", "safety performance level calculation patent", "PLC ラダー ST 変換 特許"

機能別調査結果 / Feature-by-Feature Analysis

1. ラダー図 → ST 変換 / Ladder to Structured Text Conversion

LOW RISK 日本・米国・欧州において該当特許なし

FreePLC の実装: ベンダー公開マニュアルに記載されたニーモニック命令リスト(テキスト形式)を解析し、 IEC 61131-3 準拠の Structured Text コードに変換します。

発見された関連特許:

特許番号タイトル権利者管轄FreePLCへの影響
CN101957745A LD→ST変換(仮想ノード・AOVグラフ方式) 中国学術機関 中国のみ 影響なし 中国国内でのみ有効。FreePLCはAOVグラフ方式を使用していない
CN104460489A IL→LD変換 中国企業 中国のみ 影響なし 変換方向が逆(IL→LD)。FreePLCはLD→STを実装

先行技術(Prior Art):

法的根拠: プログラミング言語間の変換(トランスパイル)は、 コンパイラ技術として1960年代から確立された一般的なコンピュータサイエンス技術です。 米国最高裁判決 Google LLC v. Oracle America, Inc.(2021年)において、 APIの実装は著作権のフェアユースに該当すると判示されており、 言語仕様に基づく変換ツールの開発は法的に保護された活動です。

2. ST ↔ フローチャート双方向変換 / ST to Flowchart Round-Trip

VERY LOW RISK 関連特許なし

FreePLC の実装: ST コードの AST(抽象構文木)を Mermaid フローチャート記法に変換し、 逆方向の変換も行います。

法的根拠: コードから図への変換は、コンパイラの AST 可視化として 1960年代から存在する一般技術です。Mermaid は MIT ライセンスのオープンソースツールであり、 その利用に特許上の制約はありません。

3. PLC シミュレータ / PLC Scan Cycle Simulator

LOW RISK OMRON特許(US9317397B2)は異なるアーキテクチャ

FreePLC の実装: 単一プロセス内で AST を直接インタプリタ実行するスキャンサイクルシミュレータです。 物理モデル(サーボ、コンベア等)との閉ループ連携を行います。

特許番号内容FreePLCへの影響
US9317397B2 OMRON — 複数シミュレータのソケット通信による協調制御 影響なし FreePLCは単一プロセス内のインタプリタ。ソケット通信による協調制御は使用していない

先行技術: OpenPLC Runtime(2014年〜)、Beremiz ソフトPLC(2006年〜)、 Siemens PLCSim(1990年代〜)、Rockwell RSLogix Emulate(1990年代〜)

4. PLCopen XML インポート/エクスポート

VERY LOW RISK 国際標準(IEC 61131-10)として公開。ロイヤリティフリー

法的根拠: PLCopen XML は PLCopen 協会が IEC に移管し、IEC 61131-10(2019年)として 国際標準化されました。PLCopen のポリシーにより、実装はロイヤリティフリーです。 Schneider Electric は XML 関連の特許出願(2002年)を行いましたが、 これは PLC の TCP/IP 通信に関するものであり、XML 交換フォーマット自体ではありません。

5. ISO 13849-1 パフォーマンスレベル計算

VERY LOW RISK 公開規格の数式実装。特許なし。無料ツール多数存在

法的根拠: ISO 13849-1 の PL 計算アルゴリズムは規格本文(Annex K)で定義された標準的な数学的手順です。 ドイツ IFA が提供する SISTEMA(無料ツール)が同一の計算を実装しており、 Pilz、SICK 等の安全機器メーカーも同様の無料計算ツールを提供しています。 公開された ISO 規格の数式を実装することは特許の対象外です。

6. Web ベース HMI 画面表示

LOW RISK Schneider 関連特許(US6061603)は期限切れ

法的根拠: Schneider Electric の Web 対応 PLC 特許(US6061603、1997年出願)は 20年の特許期間を経過し失効済みです。 当該特許はハードウェア PLC の組込み Web サーバーに関するものであり、 FreePLC のようなソフトウェア開発ツールとは技術的に異なります。 Node-RED、Grafana 等の多数のオープンソース SCADA/HMI ツールが 特許問題なく Web ベースの可視化を提供しています。

7. ST コード静的解析

VERY LOW RISK 1978年の lint 以来の一般的 CS 技術。特許なし

法的根拠: 静的解析はコンピュータサイエンスの基礎的技術です(Unix lint、1978年〜)。 FreePLC の解析ルール(未使用変数検出、二重コイル検出、非常停止チェック等)は、 PLCopen コーディングガイドラインおよび CODESYS SA ルール(SA0001-SA0040)に 記載された一般的な品質チェックです。オープンソースの iec-checker および PLCverif(CERN)が 同様の解析を特許問題なく実装しています。

オープンソース PLC プロジェクトの特許状況

OpenPLC、Beremiz、MatIEC のいずれも、特許訴訟を受けた事例は 報告されていません(2006年〜2026年、約20年間)。

プロジェクトライセンス開始年特許訴訟
OpenPLCGPLv32014なし
BeremizGPL/LGPL2006なし
MatIECGPLv32006頃なし
iec-checkerMIT2020頃なし
PLCverif (CERN)CERN OHL2019頃なし

IEC 61131-3 標準自体が、ソフトウェア実装に対して特許ライセンスを要求していません。 PLC プログラミングツールの開発は、20年以上にわたり特許紛争なく行われてきた分野です。

FreePLC の独立開発について

FreePLC は以下の原則に基づき開発されています。

参考文献 / References

免責事項 / Disclaimer

本報告は2026年3月時点での公開データベースに基づく調査結果であり、 正式な自由実施(FTO)鑑定書ではありません。本報告は情報提供を目的としており、 法的助言を構成するものではありません。特許に関する最終的な判断は、 資格を有する弁理士または知的財産専門弁護士にご相談ください。